遺言の作成業務について

遺言の作成業務について

遺言を作成する意味

当事務所では,遺言書を作成されることを強くすすめています。

何故,遺言書を残す必要があるのでしょうか。

「うちの家族に限って、相続でもめるなんてありえない」
「たいした財産もないのに遺言なんて・・・」
とお思いになられるかもしれません。

しかし,実際に相続が発生し,財産が絡んでくると,突如兄弟の仲が険悪となったり,見たこともない相続人が名乗り出てきたりもします。

また,相続の問題は非常に根が深く,法律だけでは解決できない感情の問題が多く含まれています。
一度、こじれてしまうと収拾がつかなくなってしまいます。
相続をめぐる紛争は,10年以上も続くこともあります。

そのようにならないためには,「遺言を書く」,もしくは「遺言を書いてもらう」ことが殆ど,唯一の方法と言えます。
私自身,遺言書1本あれば,紛争にはならず,相続人同士の関係が壊れてしまうことがなかったのにと思うことも少なくありません。

自筆証書遺言と公正証書遺言

通常作成される遺言は,自筆証書遺言か公正証書遺言です。

自筆証書遺言は,遺言者が全文,日付及び氏名を自著して,押印する方式により作成する遺言です。
公正証書遺言は,公証役場で公証人に作成してもらう遺言です。

自筆証書遺言,公正証書遺言には,それぞれメリットデメリットがあります。
自筆証書遺言のメリットは,手軽に作成できるということです。紙面,ペン,印鑑等があれば,自宅ですぐに作成することができます。
自筆証書遺言のデメリットは,公正証書遺言とは異なり,公証人が関与せず,証人の立会も必要ないため,後に遺言の有効性が問題となる可能性が比較的高いこと,遺言を紛失してしまうおそれがあること,「自筆」が要件となっているため,遺言者が字を書くことができない場合には作成できないことなどが挙げられます。

一方,公正証書遺言のメリットは,公証人が作成する遺言であり,証人二人の立会も要求されているため,後に遺言の有効性が問題となる余地が比較的少ないこと,公正証書遺言の原本は公証役場で保管されるため遺言紛失のおそれがないこと,遺言者が字を書くことができなくても作成できること(遺言の内容を口頭で公証人に伝えて作成することになります。),昭和64年1月1日以降(東京公証人会所属の公証人作成の公正証書遺言は昭和56年1月1日以降,大阪公証人会所属の公証人作成の公正証書遺言は昭和55年1月1日以降)に作成された公正証書遺言であれば,日本公証人連合会の「遺言検索システム」により簡単に検索,照会できることなどが挙げられます。
公正証書遺言のデメリットは,公正証書遺言の作成手数料として目的財産の価額に応じた金額を支払う必要があること(※),事前に公証人と打ち合わせをして,遺言の内容を詰めておく必要があり自筆証書遺言に比べると煩瑣であること等が挙げられます。

自筆証書遺言,公正証書遺言のどちらを作成したほうがよいかはケースバイケースだと思います。さまざまな事情に応じて,適切な方式による遺言を作成されることをおすすめします。

※公正証書遺言を作成する場合の手数料
100万円までは5000円,100万円超え200万円までは7000円,200万円超え500万円までは,1万1000円,500万円超え1000万円までは1万7000円,1000万円超え3000万円までは2万3000円,3000万円超え5000万円までは2万9000円,5000万円超え1億円までは4万3000円,1億円超え3億円までは4万3000円に5000万円超過ごとに1万3000円を加算,3億円超え10億円までは9万5000円に5000万円超過ごとに1万1000円を加算,10億円越えは24万9000円に5000万円超過ごとに8000円を加算

弁護士に依頼する

「遺言書を残したい。」
「遺言書を残してもらいたい。」
と思ったら,弁護士に相談して下さい。

中途半端な遺言書を作成しても,相続の時にこじれるだけです。

また,遺言書の中で弁護士を遺言執行者に指定することもできます。
執行者を指定しておけば、その遺言執行者が責任をもって、遺言の内容のとおりに遺産の分配をいたします。
遺言執行者は、法律に明るい必要がありますので、弁護士が適任です。

遺言作成する必要性が特に高い場合

特に,以下の場合は,遺言を作成する必要性が高いと考えられます。

①法定相続分と異なる配分をしたい

御希望の配分方法がある場合は,遺言書を作成する必要があります。

②被相続人の配偶者と被相続人の兄弟姉妹が相続人となる場合

配偶者と遺言者の兄弟姉妹との話合いは,円滑に進まないことが多いです。
生前仲が良くても,相続になると,争いになることがよくあります。

争いを防止するために,遺言書を作成することをお勧めします。

③農家や個人事業主の場合

遺言書を作成して,事業用資産の分散を防止する必要があります。

④相続人以外(孫、長男の嫁、内縁の妻など)に財産を与えたい場合

遺言書を作成することにより、内縁の妻やこの配偶者(息子の嫁)への贈与が可能となります。

⑤先妻との間の子と後妻,後妻との間の子が相続人になる場合

先妻の子と後妻側の人間は,とかく感情的に対立しがちです。

そこで,遺言書を作成して,紛争を未然に防止する必要性があります。

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